毎年値上げがニュースになる食品の1つにバターがありますね。焼きたてのトーストに塗ってその匂いが食欲をそそるバター、実は2017年の5月6月から値上げが予定されているんです!
毎年クリスマスシーズンにも話題になるバターの値上げですが、今回はなぜこの時期なのかにも注目して値上げの原因や理由についてみていきたいとおもいます。ポテトチップスと同じ、台風や洪水の影響が大きいのでしょうか?
また、値上げといってもどのくらい価格が上がるのかが気になる所。なのでバターといったらの三強である雪印や明治、森永バターのそれぞれについて値上げ幅も把握しておきましょう。
目次
バター値上がりの理由って!?
バターはみなさんご存知の通り、牛乳から作られます。毎年のように『バターがスーパーから消えた!』なんてニュースになっていて、海外から大量輸入したことも何度かありましたね。
実は日本は深刻なバター不足で、2014年から2016年まで3年連続で不足しているという現状もあるんです。ケーキ屋さんにパン屋さんと、バターを多用する職業の方にはコスト面で痛い所です。最近はパンブームが囁かれていますからバターが無いのはキツイ…
それではなぜ、バターが値上がりするのか見ていきましょう。
値上げには理由があった
まず、今回の値上げについてメディアでは一言で以下のように説明しています。それが、
- 生産者の減少
- 飼料高騰の影響による生乳価格の高騰
なるほど、よくある値上げの理由ですね。つまり、生産者も減れば乳牛も減る。それは生乳の生産量も減ることになるので結果的に私たちのバターに対する需要は変わっていないけど、供給が減っている。そして価格が上がるという流れですね。
上の画像見るとよくわかると思いますが、供給曲線が供給2のところに移動し、数量 (生産量)が下がると相対的に左シフトし、交わるポイントが変化し縦軸の価格がも上がったということがわかるかと思います。今回はこの原理で値段が上がったということですね。
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どれくらい値上げする?
みなさんここで各社どのくらい値上げするのか、その値上げ幅が気になるところですよね?そこで一目瞭然で分かるように各社の価格について調べて見ました。
雪印メグミルクが2017年5月1日出荷分からの値上げ価格は
- 雪印北海道バター:¥405→¥410
- 雪印北海道バター食塩不使用:¥440→¥445
明治乳業が2017年6月1日出荷分より
- 明治北海道バター:¥405→¥410
- 明治北海道バター食塩不使用:¥405→¥410
森永乳業が2017年6月1日出荷分より
- 森永北海道バター:¥405→¥410
と、それぞれ200グラムのバター価格ですが、値上げ幅は比較的少なかったです!各社ともに5円の値上げなのでびっくりするほどではなさそうです。
私たち一般家庭の消費者にとってはそう驚くほどの価格アップでは無いので影響は少なそうですが、またスーパーから消えるといった現象になったら大変。
今のところは少ない値上げ幅に落ち着いていますが、円安になればなるほど輸入飼料の価格は高騰しますから、それに引っ張られる形で生乳価格も上昇します。今年もまたクリスマスシーズンに向けてバター不足が深刻になる影響は十分。それにしてもなぜこんなに日本はバター不足に陥っているのでしょうか?
日本でバターが不足する理由は以下の3つ
日本では毎年のようにバター不足が社会問題になっていますが、牛乳が不足してスーパーから消えるっていう話は聞いたことはありませんよね?なぜ原材料が同じなのにバターだけ不足するのでしょうか?
生産順位が関係
まず最初にあげられる理由が乳製品の生産順位の影響によるもの。基本的に乳製品を作る際に一番高く売れるのは普段私たちが飲んでいる牛乳になる元の生乳。なのでここにある程度生産量を集中させてしまうんですね。
そして、バターはこの生産順位が下位にあるので最後の残り物によって作られます。なので生乳の生産が減少すればそれに対応するバターに回される量は相対的にかなりの量で減るという流れ。こんなことから、バターは牛乳や乳製品の最終調整役という別名までついているんです。
バターの単価って飲用牛乳に比べて低いので後回しにされてたんですね。
酪農家の急激な減少
2つ目は単純に酪農家が急速に減少しているということ。高齢化に伴う廃業や後継者不足などで続けられない酪農家の方は日本でかなり増えてきています。
その理由としては為替に大きく左右される飼料価格や地球温暖化による異常気象で乳牛の体調が安定せず計画的な生産が難しくなってきている現在の社会・環境要因が大きく関係しているんです。
そして、酪農という世界は365日24時間体制で世話をしなければいけないので肉体的・精神的にとても過酷な重労働です。もちろん家族でのこのこ旅行になんていってる暇はありません。
データ的にも1985年には日本で約210万頭もの乳牛がいたにも関わらず、現在は140万頭まで減少しています。そして現在そのほとんどが高齢者によって経営されているので近い将来ガタ落ちするのは目に見えています。
『自分の代で酪農は終わりにする』『息子には家族のためにもこの仕事を引き継いで欲しくない』なんていう高齢者の方もかなり多いみたいですよ。
国としても廃業が相次ぐ酪農業界を支えるためにバターには高額の関税をかけたり、飲用牛乳の価格維持など頑張っていますが、裏を返すと国の利権も関係してるとか…
国による計画的利権戦略!?
その3はまさに国が原因だという話。今では社会の教科書にも出てくるワードにもなった『天下り』が関係しているとの情報もあるみたいです。
この話の背景は、農水省が管理しているバターの輸入に対する高額関税とその輸入業務を独占委託されている団体がまさに農水省の天下り先だということ。よくニュースで見る『日本政府、海外からバター緊急輸入!』はこの団体がやっていたんです。
その団体は『農畜産業振興機構』というらしいんですが、ここがバターを計画的に不足するように日本の酪農組合に指示して、海外からの輸入で補う際に関税の利益を懐に入れているなんていう話も。
真相はブラックボックスの中ですが、汚職はまだなくなりそうにありませんね。もしかしたらバター不足の原因は国の戦略なのかもしれませんね?
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2017バター値上げとその背景POINT
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メディアが報じているバター値上げの理由は、生産者の減少と飼料高騰の影響による生乳価格の高騰である
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雪印・明治・森永各社ともに値上げ幅は5円と比較的少額であった。
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値上げは雪印は5月1日から、残りの2社は6月1日から適用予定だ。
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日本での毎年のバター不足の背景には、生産順位・酪農家の減少・国の関与という三点が関係していることがわかった。
現在どんどん廃業していく人が多い酪農業下位について国は少し対策を考えなければいけないのかもしれません。どんなにおいしい牛乳を作っても混ぜられてしまいその美味しさを届けられなかったりしている現状もあります。
そんな中独自のブランドを作り上げ、農協とうまく提携してブランド牛乳として他の牛乳とは差別化した飲用牛乳を売り出している酪農家の方もいるのは事実です。
毎年話題になるクリスマス前のバター不足は今年も訪れるのでしょうか?それともそれより先にバター不足が問題になるのか、そのあたりも注目して物価の変化を見ていきたいですね。
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